子どもの友達関係に、親はどこまで関わるべきなのでしょうか。
特に、相手の保護者との関係に違和感を覚えたとき、
距離をとるべきか、それとも子ども同士の関係は切り分けるべきか、悩むことがあります。
子ども同士が楽しそうに遊んでいる姿を見ると、
大人の事情だけで関係を変えてしまっていいのか、迷ってしまうものです。
今回は、ママ友との関わり方に悩んでいた中で、
実際に距離の取り方を考えるきっかけになった出来事について書きたいと思います。
公園で起きた、思いがけない再会
「さぁ行こう!」
今日は、よく遊んでいるママ友親子と公園に行く日。
私の車に乗り込んで、ちょっとしたドライブを兼ねて向かいます。
初めて行く公園が楽しみで仕方のない様子の子ども達。
車内は騒がしいくらいに賑わっています。
今回も絶対に楽しい1日になる。
私はわくわくする気持ちを抑え、気を引き締めてハンドルを握りました。
ここは大きな遊具のある公園。
広い芝生もあり、コンクリートの広場もあり、1日過ごすには申し分のない場所です。
我先にと駆けていく子ども達の背中に、
「転ばないでよー!」と慌てて声をかけます。
連休の中日、加えて最高のピクニック日和の今日。
公園は多くの家族連れや、スポーツを楽しむ学生で賑わっていました。
目の前の巨大な遊具に興奮し、あっという間に姿が見えなくなる子ども達。
「どこにいるかわかる?完全に見失ったよー」
「あの辺かな?ちらっと姿が見えた気がする」
私たちは必死に子ども達の姿を目で追います。
娘と同級生の子どもを持つママ友とは、卒園してからも交流のある大の仲良し。
子どもを連れての遊びはもちろん、大人2人だけで出かけることもありました。
まだまだ付き合いの浅い私たちですが、楽しい話も悩みも話せる気心の知れた関係です。
遊び始めて1時間ほどたった頃。
「あれ?」
私は思わず声を出してしまいました。
「ん?どうしたの?」
「あ、いや、今……。」
そこへやってきた息子。
「Yちゃんがいる!ほら!」
一瞬で固まる私。
その様子を見て察したママ友。
笑顔のまま固まっています。
Yちゃんは当時年長の息子の同級生。
Mさんの子どもです。
年子ママのMさんは、娘の入園後初めての参観で知り合いました。
(第一子:娘–Nちゃん・第二子:息子–Yちゃん)
明るく愛嬌のある人柄と、同じ年子ママという接点から、仲良くなれそうだなと思った私。
プライベートで公園に行ったり、入園前の息子のプレ幼稚園に一緒に参加したりと、交流を重ねてきました。
しかし、関わる中で徐々に大きくなる違和感。
(無理に合わせる必要はない)
(自分のペースを大切にしよう)
そう思いつつも、脳裏をよぎる子ども同士の関係。
(どうしようかな)
(子どもは関係ないしな)
Mさんとの距離感に悩み、ママ友に相談したばかりでの遭遇でした。
「Yちゃんもここに来てたんだね!こんにちは!」
私は明るく挨拶をしました。
子ども達は「みんなで遊具に行ってくる!」と、すぐさま駆け出します。
まだMさんの姿が見えない中、私とママ友は悩みました。
「会わないほうがいいだろうけど、子どもが出会っちゃってるから無理だよね」
とママ友。
「うん。こっちに来るのは時間の問題だと思う。とりあえず、私たちから話しかけるのはやめておこう。」
「私さん?え、ママ友さん?」
不意に声がして横を向くと、そこにはMさんの姿。
「偶然だね!さっきNちゃんとYちゃんに会ったよ」と私。
「こんにちは〜」とママ友。
一緒に遊ぶ?距離をとる?迷いながらの時間
そこへサッカーをやりたいと言いながら、子ども達が戻ってきました。
荷物の中に虫取り網を見つけたNちゃん。
「私、虫取りしたーい!」
「私も虫取りしたーい!!」
続くYちゃん。
「ごめんね、うちの子達はサッカーをやりたいんだって。」
それを聞いた2人は
「私もやる!」と口々に言いました。
支度ができたタイミングで私はMさんに声をかけました。
「じゃぁ、私たち行くね。」
「あ、どこに行くの〜??NもYも、ほら、一緒に。」
「でも、向こうに行った後はいろいろ回るから。」
「そうなんだ〜。じゃぁ、私、ちょっとあっちでぶらぶらしてるね!」
そういうと、Mさんは旦那さんの座るベンチへと向かいました。
「このままは難しい」と感じた瞬間
私とママ友は無言で歩き出します。
「Mさんはこないのかな……?」
沈黙を破ったのはママ友でした。
仲良く楽しそうにボールを転がしながら走る子ども達の後ろ姿を見ながら、私は静かに答えます。
「うん。こんな感じになりがちで……。今日は初めて来る場所だし、人も多いし、見きれるかな。ちょっと不安。」
「そうだよね。怪我とか、怖いよね……。」
「うん。自分たちの子どもも見きれてなかったのに、大丈夫かな。」
子ども6人に大人2人。
小学生もいるとは言え、まだまだ低学年。
園児が2人いる中で、安全を確保できるだろうか……。
私とママ友は不安でした。
ましてや今日は混雑する公園。
今向かっている場所は、スケボーをする学生や、ボール遊びする小さな子どもがいるエリア。
明確に区分が分かれているわけではなく、親の見守りが必須です。
なるべく端により、小さな輪を作りボール遊びを始めました。
ここでママ友がお手洗いへ。
私1人でみることになったタイミングで、
「そっちばっかりじゃなくて、こっちにもボール蹴ってよ!」
と、いつものケンカが始まります。
「じゃぁ、順番を決めてパスしようよ。」
と私が提案したその時。
NちゃんとYちゃんが、私の子どもの虫取り網を持ってやってきました。
(いつの間に持ってきたの!?)と驚く私に
「虫取りしたーい!サッカーつまんない!」と2人。
確かに輪の中に入れずにいた2人。
なかなかボールが回ってこなくて嫌になってしまったのでしょう。
しかし我が家では、人に虫取り網を貸さないと決めています。
自分のものなのに使いたい時に使えず、嫌な気持ちになったことがあること。
虫取りという用途である上、壊してしまう可能性が高いこと。
この2点から、トラブルを回避するために徹底して気をつけています。
「私たちはここでボールやるから行けないよ。虫取りの道具も、持っていかれると困るよ。私たちは移動しながら遊んでるから。お母さんに虫取りしたいって言ってきてごらん。」
サッカーをする子ども達を視野に入れつつ話します。
「えー!だって虫取り網持ってないもん!お母さんに言ってくる!」
駆け出す2人。
ここからMさんは見える場所にいました。
夫婦でベンチに座りこちらを見ています。
2人がMさんのところについたことを確認した瞬間。
「あっ!!」と大きな声が上がりました。
ボールがスケボーをするお兄さんの方へ転がっていきます。
お兄さんに優しく転がしてもらったボールを受け取るママ友の子ども。
私は「すみません!ありがとうございます!」と叫びました。
その場を離れるという選択
「虫取りダメだって!」
Mさんのところから戻った2人の言葉に、これ以上は難しいかも、と感じた私。
戻ってきたママ友に状況を伝えます。
「ボールをこの人数で、ここでやるのはちょっと怖いかも。ボールはやめてもらって、子ども達には、向こうに砂場があるから行ってみようって伝えてみるの、どうかな?」
「そうだね!そうしよう!私もさっき、人にぶつかりそうになったよ。場所を変えよう!」
こうして私たちはMさんの元へ戻り、
「ごめん。そろそろ移動しちゃうから、またね。」
「え〜?どこに行くの?」
「う〜ん。まだわからないけど、荷物持って向こうに移動しちゃう。けっこう動き回るから見きれなくて。だからまたね。」
「えー、じゃぁ、うちも……」と言いかけるそばで、NちゃんとYちゃんも「えー!まだ遊びたい!!」と叫んでいます。
(お互いが楽しく安全に過ごすためにも、一緒に遊ぶのは控えたほうがいい。)
そう自分に言い聞かせ、「ごめんね。」とNちゃんとYちゃんに伝えます。
私とママ友の子どもは、次の場所に行くことで頭がいっぱいな様子。
Mさん親子に「ばいばい!」と手をふって、荷物の方へ駆け出します。
私とママ友も、子ども達を追いかけるように、
「じゃぁ、またね!」と手を振りその場を後にしました。
穏やかなおやつの時間。
私とママ友と子ども達との、いつもの時間が流れています。
楽しくおやつ交換をして、美味しいねと会話が弾む様子を見て、やっとひと息つくことができました。
関わり方を選ぶことは、拒否ではないと思えた理由
あの日の出来事を通じて感じたことは、
「関わり方を選ぶこと」は、相手を否定することとは違うのかもしれない、ということでした。
合わないと感じるママ友との関係は、とても難しいものです。
楽しそうに遊ぶ子ども達の姿を見ると、簡単には距離をとれないなと感じることもあります。
それでも、子どもの安全を守れないと感じた時や、
自分の心が大きく揺れてしまう場面では、
一度立ち止まって、関わり方を見直すことも必要なのかもしれません。
相手に悪意があったのかどうかは、正直わかりません。
ただ、関わり方に迷ったとき、
「自分はどう感じているのか」「どうしたいのか」を考えることは、
これからも大切にしていきたいと思っています。
きっと、これからも同じように迷うことはあると思います。
それでも、その度に、無理のない距離を探していけたらいいなと思います。

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