結婚して、子どもが生まれたら「次はマイホーム」。
そんな“王道”を当然のように思っていました。
でも実際に住宅展示場を訪れてみて気づいたのは、夢と現実のギャップ。
あれから数年たった今、私たちはアパート暮らしを続けています。
「背伸びしなかったからこそ得られた幸せ」があることに、改めて気づいた体験をお話しします。
「これ、みんな支払ってるの!?」
思わず叫びたい気持ちを飲み込み、ぐっすり眠る娘に視線を落としました。
住宅展示場での衝撃
ここは住宅展示場。
娘が生まれ、すぐに第二子を妊娠した私たちは
「賃貸では手狭になりそうだね」と話し合い、見学にやってきたのです。
そこには夢や希望が詰まった家がずらり。
見ているだけでワクワクします。
料理好きの私は、やっぱりキッチンに目がいきます。
広々として使いやすそうなキッチンに立つ自分を想像して、思わずにやけてしまいました。
その後ろでは夫が真剣な表情で、耐震性や機能面のことをハウスメーカーの方に聞いています。
おしゃれも、機能も、安全も——すべてがそろった理想の「マイホーム」。
まさに夢そのものでした。
「支払い」という現実
でも同時に、胸の奥からせり上がってくるのは「支払い」という現実。
頑張れば手が届きそうな気もするけれど、我が家にはどう考えても背伸びしすぎ。
結婚、妊娠、出産……次はマイホーム。
そんな王道ルートに勢いで乗っかろうとした私たちは、
見学を終えた時にはすっかり現実を突きつけられて、肩を落として帰ったのを覚えています。
夫が「いつか、家を買ってあげたい」と言ってくれたけれど、
——そんな未来が本当に来るのかしら?と、ひっそり思ったのはここだけの話です(笑)
あれから数年、私たちの暮らし
あれから数年。
上の子は小学生になり、私たちはあの時と同じアパートに住み続けています。
不動産屋さんが訪問に来て
「○歳で○年アパート暮らしなんて遅いですよ。早く家を買わないとローンが大変になりますよ!」
と言われたこともありました。
あの一言は、今でも忘れられません。
ローンを組むのが当たり前。
そんなふうに言われているようで、正直、怖かったのです。
もしあの時ローンを組んでいたら……。
きっと今頃、毎日お金の不安に押しつぶされていたでしょう。
「持たない暮らし」を選んだ私たち
もちろん、不便なことはあります。
収納に困ったり、もっと広ければなと思う瞬間もあります。
けれど、そのたびに「背伸びしてローンを組まなくてよかった」と心の底からほっとします。
「結婚して、子どもが生まれたらマイホーム」
その言葉には、順風満帆な幸せの響きがあります。
でも、私たちは“あえて”持たない暮らしを選びました。
結果、マイホームを手に入れるのと同じくらいの幸せを、今の生活の中で感じられています。
お金がなくても、誰とも比べず、自分だけの幸せの形を見つけられる。
私にとって大きな気づきでした。
振り返れば、家以外にも車や習い事で同じように選んできたことがあります。
次回は、そのあたりを少し書いてみようと思います。
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