子どもに声をかけても、全然聞いてくれない……。
そんな経験はありませんか?
我が家でもよくある光景ですが、面白いことに夫と私では子どもの反応が大きく違います。
「母親と父親の違い?」「一緒にいる時間の差?」と思っていましたが、実はそうではありませんでした。
違いは——声かけの仕方だったのです。
この記事では、子どもが素直に動けるようになる声かけの工夫をお伝えします。
水族館での出来事から気づいたこと
今日は家族で水族館へお出かけです。
子ども達は朝から「何がいるかな」「えさをあげたい」とはしゃいでいます。
午前中に館内を回り、ショーの前に一旦お昼にしようと移動します。
そこは売店の近く。
ぬいぐるみやおもちゃが並ぶ魅力的な空間に、子ども達の足は自然と向いていきます。
「あれが欲しい!これが欲しい!」と騒ぐ子ども達。
夫は「買わないよ!今からご飯食べるの!」と一言。
どうしても“今”欲しい子ども達は更に騒ぎます。
「ショーがみたいんじゃないの!?今からご飯食べないと間に合わないよ!見れなくなっても知らないからね!」
と怒る夫。
子どもは泣き、夫は怒っている光景に、私は肩を落としつつ「ちょっと落ち着いて」と間に入ります。
私は“しゃがんで目線を合わせ”子ども達に問いかけます。
「何が一番欲しいの?」
子ども達は「これが欲しい!なのにお父さんがダメっていうの!」
「そっか、これが欲しいのね。」
「今からね、ご飯を食べようと思ってここにきたの。それは知ってるね。
この後ショーもみるし、まだお魚にえさをあげたりするでしょ?」
「落としてなくしてしまうかもしれないし、帰る時にまたここに来るから、他のものが欲しくなるかもしれない。」
「買えるものは一つだけだよ。どうする?今買う?後にする?」
子ども達は自分で考え、相談もして、後で買うことを決めました。
頭ごなしに「ダメ」と言われると、大人でも反発したくなります。
子どもも同じなのです。
気持ちを受け入れ、親の考えを伝え、どうしたいか子どもの考えを聞く。
少し面倒なプロセスですが、子どもは自分で決めることができるので、
納得して次の行動に進むことができます。
この日、子ども達はじっくり選んだ“一番欲しいもの”を買うことができました。
……最初に言ったものとは違うもの…はあるある?(笑)
食事の場面での声かけの工夫
ある食事の時間。
夫は怒っていました。
「なんで残すの!食べなさい!無駄にするな!」
全くもってその通りです。
食事を残すなんて良いこととは言えません。
ですが、私は、どうしても食べられない時には、無理やり食べさせることはしないようにしています。
残しているものや量に応じて、
「どっちなら食べられる?」
「あと3口頑張ってみようか」
と声をかけています。
無理やり食べさせようとしても、ますますグダグタと箸が進まなくなり、行儀が悪くなってしまうためです。
それなら、できる範囲で少し頑張らせてみる、自分でできることをみつけてやらせてみる。
そうしているうちに、
「全部は無理だけど、これは全部食べる」
と、自分で適量を覚えて、自分から伝えてくれるようになりました。
違いは「命令か」「納得」か
子どもの反応の違いは、父親、母親でもなく、一緒に過ごす時間の長さでもありませんでした。
「命令」する声かけか「納得」を得られる声かけか。
違いはそこにあったのです。
子どもに理由を伝える、選択肢を与えることで、納得して自分で行動できるようになります。
これは特別なスキルではなく、ちょっとした工夫で誰でもできることです。
自分で考えて決める経験を積んだ子どもは、自信に満ちています。
親もイライラせず、お互いに気持ちよく過ごせる「声かけの工夫」。
今日から少しずつ「命令」ではなく、「納得」の声かけを試してみませんか?
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