子どもを見ていると、人との関わり方に悩む瞬間は、いつも突然やってきます。
誰かとぶつかったり、うまく話せなかったり。
「どうしたら仲良くできるのかな」と、幼い心で一生懸命に考えている姿を見て、
私自身もたくさんのことを学びました。
今回は、娘の成長とともに気づいた「合わない人がいてもいい」という気づきと、
人との距離のとり方についての記録です。
ちゃんと悩んで、考えて、乗り越えていく
「私だったらどうするかな……」
娘と同じクラスのママの話を聞きながら、私はぼんやりと考えました。
ことの発端は、A君とB君のトラブル。
A君がママに泣きながら事情を話したことで、事態は大きく動いていきます。
B君は、あちこちでトラブルの話が絶えない子。
心配に思ったA君ママは、先生にA君の様子を伝え、結果としてB君のママが謝罪する流れになりました。
この話を聞きながら、私は娘が入園してすぐの出来事を思い出していました。
娘が初めて出会った「人とのむずかしさ」
年少さんになり、初めて私から離れて集団生活をおくることになった娘。
私と離れることに強い不安を感じ、毎晩布団に入ると「明日がいやなの」「お母さんといたいの」と泣いていました。
「時間が解決してくれるだろう」と、焦らずに見守ろうと考えていた矢先のことです。
娘が「C君が嫌なの……」と口にするようになりました。
「今日はお友達とうまくいかなかったかな?」
そう思いましたが、次の日も、また次の日も、娘からC君の話を聞くようになります。
話を聞いてみると――おもちゃを取られたり、叩かれたり、ついてこられたり……。
嫌がっている一方で、自分にも悪いところがあったと感じている様子もありました。
一方的とは思えないものの、娘が我慢していることが気がかりでした。
先生に伝えるという選択
「これは先生に相談したほうがいいかもしれない」
少し迷いながらも、私はペンを取りました。
娘の家庭での様子を伝え、保育に活かしてもらえたら――そんな思いでした。
そのため、娘と話した内容も一緒に書き添えました。
- 嫌なことははっきり嫌だと言うこと
- 自分がされて嫌なことは、人にはしないこと
- 困った時には先生に話すこと
さらに、私の心配事も伝えました。
- 娘が嫌な思いをしていること自体が問題ではないこと
- 私とC君の話をすることで、娘とC君の関係を悪化させてしまうかもしれないこと
娘の交友関係を知らない私が言った、何気ない言葉でお友達を見る目を変えてしまわないか――。
まだ幼い娘にとって、母親の言葉の重みがどれほどのものか。
慎重になりたいと考えていました。
親子でいっしょに考える時間
先生からの返答では、C君が集団生活が苦手なこと、おもちゃの譲り合いが難しいこと、とっさに手が出てしまうこと。
そして、娘はC君に気に入られているようで、常に近くにいる状態になり、トラブルの対象になりやすいということが書かれていました。
先生が丁寧に子ども達を見守ってくれていることが伝わり、ほっとしたのを覚えています。
初めての集団生活で悩む娘の第一歩に、私は「私ができることはなんだろう」と考えました。
幸い、娘は寝る前にその日の出来事を話すことで気持ちの整理をしてくれていました。
そのお話タイムで、娘の気持ちやC君の気持ちを一緒に考えてみることにしました。
「C君はどうしてそういうことをしたんだろう」
「おもちゃを使いたくて、渡したくなかったのかもしれないね」
「叩かれて痛かったね。その時どう思った?」
「また同じことが起きたら、どうする?」
まだ年少さん。
全てをうまく話せるわけではありません。
それでも娘は、言葉にすることで自分の中のもやもやを整理していたように思います。
C君の気持ちは私が言葉で補いながら、
どんな時に先生に助けを求めるのか、嫌だと感じたらその場を離れることなどを一緒に考えました。
どうしたら娘もC君も楽しく過ごせるか――そんなふうに話す時間を続けました。
変化のきざし
そんな日々が続いたある日、娘がいつものようにC君のことを話してきました。
「まぁ、C君にもいいところはあるんだけどね!」
その言葉を最後に、娘からC君の話を聞くことはなくなりました。
成長とともに変わる人との距離感
年長さんになり、今度は女の子とのトラブルがありました。
仲良くなったり、嫌なことを言われたり。距離感のむずかしさに悩む毎日です。
先生に報告するほどではなさそうだったので、家庭でケアをすることにしました。
毎晩のお話タイムで、娘の気持ちとお友達の気持ちを一緒に考えます。
三学期になる頃には、
「また嫌なことを言われそうだったから、私は別のことをしたの」
と、自分で判断できるようになっていました。
小学生になった娘は、B君とトラブルになることもあります。
それでも娘の中でB君の存在は、「お友達だけど、距離のある関係」のようです。
「嫌なことをされたら気にしない。自分が嫌な気持ちになるのが嫌だから」
そう言っていました。
伝えてきた3つのこと
トラブルが起きるたびに、大事に大事に育ててきたことがあります。
- 自分の気持ちを言葉にすること
- 相手の気持ちや背景を考えること
- 具体的な距離のとり方を知り、行動できるようにすること
子どもたちを見ていると、この力は生きやすさにつながるのだと、改めて感じます。
ひとつの出来事をいろんな角度から見られる人になってほしい。
相手を一方的に悪者にするのではなく、「どうしたらお互いが気持ちよく過ごせるか」。
これからも、子どもたちと一緒に悩んで、考えて、乗り越えていきたいと思います。


コメント