「できたね」「がんばったね」そんな何気ない言葉が、子どもの心にそっと積み重なっていきます。
特別なことをしなくても、親からの声かけが、
子どもの「自分は大丈夫」「やってみよう」という気持ちを育ててくれるんです。
この記事では、毎日の小さなことばが、子どもの自信につながる理由と、その伝え方をお届けします。
「『すごいね』の裏にあった子どもの気持ち」
「すごいね」
子どもだった頃、私はこの「すごい」が少しプレッシャーでした。
小さな頃は、単純に褒められることが嬉しかった。
でも、成長するにつれ、
「何がすごいのかわからない」
「できないとすごくない気がする」
そんなふうに感じてしまい、とにかく結果を出さなきゃ……と焦っていた時期もあります。
そんな私は今では2児の母です。
子どもを褒める時に意識しているのは、結果ではなく過程を認めること。
日々の遊びの中でも、それを大事にしています。
「過程を褒めると、子どもの表情が変わる」
私の息子はブロック遊びが大好きです。
眉間にシワを寄せ、夢中になって取り組んでいます。
時には「そこは絶対にくっつかないところだよ……」と、
大人からすると少しじれったく感じる場面もあります。
つい手を出しそうになってしまうけれど、そこで一度深呼吸。
「ここまで一人でできたね。」
「少しずつ形ができてきたね。」
そんなふうに、前に進んでいることを伝えます。
すると息子は「ふーっ」と息を吐き、肩の力が抜けて、また穏やかな表情でブロックを続けます。
その姿を見ていると、「頑張ってる姿を見てるよ」「応援してるよ」という気持ちが届いているのかなと感じます。
「具体的な言葉で伝えると、子どもはもっと話したくなる」
子どもの「みてみて」の呼びかけに、とっさに口にする言葉はなんですか?
例えば、公園で捕まえたちょうちょの絵を見せてきた時。
私は、「よく見て描けてるね。色も丁寧に塗っていて、とってもきれいだね」と伝えます。
自分が「いいな」「素敵だな」と思ったことを、できるだけ具体的に伝える。
すると子どもは嬉しそうに「ここはね……」と話し始めます。
とっさに「すごいね」だけで返していたら、きっとこの生き生きとした表情は見られなかったと思います。
折り紙を何度も何度も練習したときもそうでした。
やっと一人で折れた時に、
「諦めずに練習して良かったね」
「一人でできて嬉しいね」
と声をかけると、達成感に満ちた表情を見せてくれました。
それ以来、毎日こつこつと取り組む姿が自然と増えたのです。
「少しずつやればできるようになるかもしれない」
そんな言葉を自分で呟くようになったのも、この体験が大きかったのだと思います。
「小さな声かけが、自信を育てる」
私自身は、褒められ方で少し苦労した幼少期。
だからこそ、子どもにはのびのびと自信をもって育ってほしいと願っています。
過程を褒めること。
気持ちを共有すること。
具体的な言葉にして伝えること。
それは、きっと私自身が子どもの頃に欲しかった言葉でもあります。
子どもにかけた言葉は、きっと何年も先まで心の中で生き続ける。
だからこそ、「気持ちを見て」「過程を見て」ゆっくり丁寧に言葉を届けていきたい。
今日の小さなやり取りが、明日の大きな自信につながる――。
そう思うと、毎日の声かけがより大切に感じられるのです。
その自信が、いつか子どもが自分の道を歩む力になるのだと信じています。
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